お内仏ご本尊様「日蓮聖人」の修理をご下命いただきました!

みなさま、おはようございます。6代目です。

加茂定ブログにお越しいただきありがとうございます。

 

 

 

前回ブログでは、「三宝尊」の修理をお話しいたしました。

日蓮宗でご安置されるお仏像です。

お内仏ご本尊様「三宝尊」の修理をご下命いただきました!

 

 

 

今回のブログでは、「日蓮聖人」の修理についてお話しします。

日蓮聖人お預かり時_その1.JPG

<日蓮聖人 全体①>

日蓮聖人お預かり時_その2.JPG

<日蓮聖人 全体②>

お預かり時の全体写真です。

日蓮聖人お預かり時_その3.JPG

<日蓮聖人 仏身①>

日蓮聖人お預かり時_その4.JPG

<日蓮聖人 仏身②>

「日蓮聖人」は、お衣を着られています。

厳密に言いますと、

「着衣」ではなく「お衣が描かれています」という意味です。

 

 

 

修理をさせていただくにあたり、

元通りの「色使い」や「柄」で復元することをご希望されていました。

 

 

 

「元通り」=「同じ」という認識を持たれることになります。

しかし、人の手で作る物ですので、「まったく同じ」ということは難しいです。

お寺様には、「限りなく元通りに近く戻します」

ということにご理解をいただき、修理を進めさせていただきました。

 

 

 

上に掲載しました日蓮聖人の写真ですが、実はもっと写真を撮影していますflair

「元あったお姿に、より近付ける為」

という心理からですhappy01

 

 

 

デジカメですから、何枚も撮影することが出来ますが、

フィルムカメラの時代ならば、フィルム代や現像代が凄くかかりそうですcoldsweats02

デジカメ万歳です\(^o^)/

 

 

 

「三宝尊」と比較しますと、大きく目立つ木地の痛みは見当たりません。

彩色の下が、

「修理後も末永くお祀りできる木地なのか?」

を確認するために、彩色を捲っていきます。

もちろん、塗り膨れを抑える為でもあります!

日蓮聖人木地洗浄後_その1.jpg

彩色を取り除き、裸?の「日蓮聖人」が出てこられました!

よく見ますと、身体が白いですよね??

木目が、見えないですよねsign02sign02

20212995628.jpg

実はこれ、陶器なんです!

日蓮聖人と台座は、接着されていました。

日蓮聖人木地洗浄後_その3.JPG

写真で、陶器の質感を感じていただけるでしょうか?

万が一落とした場合、木地は割れたり凹んだりしても、直すことが可能です。

ところが、陶器を落としてしまいましたら、元に戻すのは難しいですよね。。。

 

 

 

ガラスを割って、元通りに戻せるのか?

大きな破片や小さな破片になってしまい、ほぼ不可能ですよね。。。(涙)

陶器も同じです。

日蓮聖人木地洗浄後_その4.JPG

「日蓮聖人」も、この段階でご住職様ご夫妻に見ていただいています。

掃除をされる時に動かす場合があるかもしれませんので、

「その際は気を付けてお運びください!」とお伝えすることが出来ました。

 

 

 

落とすと割れてしまい、下手をすれば粉々になってしまいますので。。。

とても大事なことなので、事前にお話しできて良かったです♬

 

 

 

お寺様に「気を付けてください」のメッセージになっていますが、

修理工程中、弊社も十分に気を付けなければなりません。

日蓮聖人木地洗浄後_その5.jpg

「日蓮聖人」の持ち物の1つ、「杓」の写真です。

「杓」・・・「シャク」と読みます。

 

 

 

お身体に対して「杓」が小さくバランスが良くないとのことで、

職人さんのご厚意で新調(無料)していただけました!!

ありがとうございまーーーーっす!!!

日蓮聖人木地洗浄後_その6.JPG

台座も綺麗に落とせました。

黒くなっている部分を拡大しますと、

日蓮聖人木地洗浄後_その9.jpg

焼き印で柄を出してあります。

焼き印.jpg

金属の型を高温で温め、ハンコを押すようにして柄を出す手法です。

みなさんの身近で例を挙げるならば、

どら焼きや煎餅の表面に、焼き印が押されていますよね♬

 

 

 

ここは、絶対に捲っておいて正解でした。

溝が浅すぎますので、埋まるの確定です><

日蓮聖人木地洗浄後_その8.JPG

「三宝尊」の台座は、ホゾ組構造でした。

ですので、しっかりと固定できます。

日蓮聖人木地洗浄後_その7.jpg

一方で、「日蓮聖人」の台座は糊付けされていましたので、

新たに膠を糊として接着し、木地を締直しいたしました。

日蓮聖人木地修理後_その1.JPG日蓮聖人木地修理後_その2.JPG

木地直し終了です。

日蓮聖人木地修理後_その3.JPG

杓もお持ちいただきましたhappy01

グッドバランスになりましたねhappy01happy01

日蓮聖人塗り.jpg

塗りの工程も無事に終了です。

「三宝尊」同様に砥粉と膠を混ぜた物を下地とし、その上から刷毛を使い、漆を塗りました。

※仏身は、陶器に直接彩色します。

 

 

 

「日蓮聖人」が座られる部分が白いです。

胡粉と膠を混ぜた下地といわれる物です。

「多宝如来」と「釈迦如来」の頭を青く彩色した時と同じですね♬

 

 

 

この後、金箔押しと彩色を経て、完成となります。

日蓮聖人完成_その1.JPG

<日蓮聖人 正面>

日蓮聖人完成_その2.JPG

日蓮聖人完成_その3.JPG日蓮聖人完成_その4.JPG日蓮聖人完成_その5.JPG日蓮聖人完成_その6.JPG

shineビューティフルshine

日蓮聖人完成_その7.JPG

日蓮聖人は、台座の上に載せてあります。

※台座は、礼盤(「ライハン」と読みます)とも呼ばれます。

日蓮聖人完成_その8.JPG日蓮聖人完成_その9.JPG

日蓮聖人完成_その10.JPG

台座は、正面だけに金箔を押してあります。

お預かり時と同じに仕上げています。

 

 

 

修理前と修理後を見てみましょう。

日蓮聖人修理前後_その1.JPG

日蓮聖人修理前後_その2.JPG日蓮聖人修理前後_その4.JPG日蓮聖人修理前後_その5.JPG日蓮聖人修理前後_その6.JPG日蓮聖人修理前後_その3.JPG

お衣の柄に関しては、ほぼほぼ同じかと思います!

 

 

 

お色目は若干濃いように見えますが、

色褪せを考えて濃い目の色使いにしていただきました。

未来を見据えた計算です!

偉そうに言いましたが、職人さんの采配ですflair

 

 

 

みなさん、いかがでしょうか??

 

 

 

忠実に復元して下さった職人さんに感謝です^^

 

 

 

【修理品】

(名称) 日蓮聖人

(大きさ)総高さ17.5cm 仏像身丈3寸(約9cm)

 

 

 

修理のことでご質問やご不明な点などございましたらば、

些細なことでもかまいませんので何なりとお問い合わせください。

しっかりとサポートさせていただきます!

【お問い合わせ先】

ホームページからのお問い合わせはこちらからお願いいたします。

直通メールアドレス 0883@d2.dion.ne.jp からもご利用いただけます。

※返信にお時間がかかる場合もございます。

 

 

 

<以下、関連ブログ>

お内仏ご本尊様「三宝尊」の修理をご下命いただきました!

「阿弥陀如来立像」の修理をご下命いただきました! その1ー1

「阿弥陀如来立像」の修理をご下命いただきました! その1ー2

「阿弥陀如来立像」の修理をご下命いただきました! その1ー3

 

 

 

リフォーム終了後に、お仏像をご安置させていただきました。

納品_その1.JPG

納品_その2.JPG

バッチグーですねflair

キラキラ感が半端ないですshinesmileshine

 

 

 

お内仏ご本尊様「三宝尊」「日蓮聖人」の修理ブログはこれにて終わりです。

「三宝尊」のブログでお話ししました通り、

金襴に付きましては、次回ブログでお話しさせていただきます。

全3回のシリーズになります♬

 

 

 

リフォームの工期に合わせて進めましたので、十分なお時間をいただけました。

約半年に渡りましたので、納まるまでドキドキの時間でした。

 

 

 

この度のご縁、誠にありがとうございました。

 

 

 

さて、寒いですねぇsnow

昨日は、日中から夜にかけて、京都市内では雪がちらついていました。

今朝は積もるかなぁと思っていましたが、積もりませんでした!

みなさまのお住まいの地域では、いかがでしたでしょうか?

 

 

 

明日から週末にかけては、暖かくなるそうですsun

お出掛けするには、良いかもしれませんねhappy01

お布団からも出やすいと思いますよsmile

昨日・今日は、お布団からなかなか出られませんでした(笑)

 

 

 

寒さに負けず、コロナに気を付けて、

今日も良い一日をお過ごくださいませ。

そして、素敵な週末をお迎えくださいね。

合掌

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