2月13日(土)に発生しました福島県沖を震源とする地震
被害に遭われた方々に、心からお見舞い申し上げます。
余震も考えられますので、どうぞお気を付けてお過ごしください。
みなさま、おはようございます。6代目です。
加茂定ブログにお越しいただきありがとうございます。
お取引先のお寺様から、お仏像修理をご依頼いただきました。
庫裡のリフォームをされ、お内仏も併せてリフォームされます。
この機会に「大事な仏様も綺麗にしよう♬」と御発案され、
弊社にご依頼いただきました。
※庫裡・・・「くり」と読みます。
ご住職様やその家族が住まれる建物のことです。
※お内仏・・・「おないぶつ」と読みます。
お寺様のご家族用お仏壇のことです。
お内仏は、「造り付け仏壇」と呼ばれるお仏壇です。
過去ブログでもご紹介しておりますが、
お仏間の押し入れを利用したお仏壇のことです。
造り付けお仏壇からモダン仏壇へ ~ご本尊やお仏具はそのまま使いたい!~
造り付けお仏壇からモダン仏壇へ その2 ~お仏像は断念、お位牌はそのまま使いたい!~
家を建てられる時に、予めひな壇や収納スペース(地袋(「じぶくろ」と読みます)と呼ばれます)を作り、それをお仏壇としてお使いになられます。
このようなお仏壇のことを「造り付け仏壇」や「仕込み仏壇」とお話しいたしました。
現場の写真です。
お仏像の修理と共に、金襴の新調もご依頼いただきました。
こちらは、改めてブログでお話しいたします!
次々回予定です♬♬
<三宝尊>
<日蓮聖人>
修理のお仏像は、「三宝尊」と「日蓮聖人」です。
どちらも、日蓮宗でご安置されるお仏像です。
2回に分けてお話ししますが、本ブログでは「三宝尊」をご紹介いたします。
<三宝尊 全体>
<三宝尊 拡大>
お預かり時の全体写真です。
<台座の正面と裏側 木地欠落>
台座の正面は木地が欠落しており、裏側も同様です。
「多宝如来」が少しズレていますね。。。
左から「釈迦如来」「お題目が書かれた宝塔」「多宝如来」
の順にご鎮座されています。
※「お題目」とは、「南無妙法蓮華経」のことです。
この度、表面の金箔・塗をすべて剥がし、木地まで戻し、
新たに復元していく修理方法でご下命いただきました。
過去にも、同じ工程での修理をご紹介いたしましたね♬
お寺様用「磬台」「見台」の修理をご下命いただきました!~彫刻が注目ポイント♬~
お寺様用お位牌の修理をご下命いただきました!~御開山位牌・前編~
お寺様用お位牌の修理をご下命いただきました!~御開山位牌・後編~
この木地まで戻すメリットは、彫刻の起伏を活かす為でしたよね!
既存の漆と金箔の上から塗り重ねる修理手法もございますが、
それでは層がかさみ、彫刻の凸凹が埋まってしまいます。
木地までめくることで、
塗り膨れの心配もなく、作られた当時の彫刻を最大限に見せることが可能になります。
上の写真は、木地解体を行った全体写真です。
パーツごとに見ていきましょう。
以下は、洗浄→木地修理を終えた各パーツ写真です。
<宝塔 拡大>
お題目が書かれていた「宝塔」は、3つに分解できました。
作られた時に書かれた下絵の跡がでてきていますね!
下絵の跡が、「何年ぶりに外に出てきたんだろう?」と思うと、浪漫を感じますよね♬
ちなみに、修理後は何十年と漆と金箔の下に再び隠れてしまいますので、
強度を持たせるように「ホゾ」も新調しております。
<多宝如来 拡大>
<釈迦如来 拡大>
彫刻の溝が比較的浅いので、木地まで戻して良かったと思います。
既存の漆と金箔の上から新たな漆と金箔を付着させれば、
確実に彫刻の凸凹が埋まっていたと思います
<台座 拡大>
「宝塔」の時と同様、台座もホゾを新調しております。
<台座 裏側>
台座正面の欠落は、新しい木を補充しました。
裏側は、深い陥没ではありませんでしたので、ペーパーをかけてならしました。
<木地修理終了>
木地修理が上手くいきました!
「宝塔」の後光裏に、一部漆が残っております。
この部分はペーパーをあて、新しい漆が密着して固まるようにしております。
木地修理が終わった時点で、ご住職様ご夫妻にご確認いただきました。
漆と金箔を付けてしまいますと、次に直すまで木地の状態は見れません。
ですので、隠れてしまう前にご覧いただきました♬
この後は、漆塗りです。
砥粉と膠を混ぜた物を下地とし、その上から刷毛を使い、漆を塗りました。
「多宝如来」と「釈迦如来」の頭が白いです。
これが、胡粉と膠を混ぜた下地といわれる物です。
ここだけ、「何故白いままにしておくか?」
頭を青くするのに彩色を行うからです。
塗の工程が終わり、金箔押しと彩色、組立を経て完成となります。
<三宝尊 正面>
眩しいですね
<三宝尊 斜め左>
<三宝尊 斜め右>
左から見ても、右から見ても目映いです
木地までしっかり捲りましたので、
後光の渦が埋まることなく、凹凸がクッキリ出ていますね
「南無妙法蓮華経」のお題目も綺麗に書いていただきました!
台座の方も、彫刻の起伏が損なわれていませんね♬
作られた当時を思い起こさせるような浮かび上がりです
マジで綺麗でしょ
裏側もご覧ください。
金箔は押してありませんが、漆が綺麗に塗られています。
「多宝如来」のズレも、しっかり直されています。
最後に、修理前と修理後を見てみましょう。
本当に、新品かと見まがうほど綺麗になりました!
職人さんに感謝ですね^^
以上、「三宝尊」の修理報告ブログでした。
次回は、「日蓮聖人」です。
乞うご期待ください!
【修理品】
(名称) 三宝尊
(大きさ)総高さ24cm 仏像身丈1.2寸(約3.6cm)
修理のことでご質問やご不明な点などございましたらば、
些細なことでもかまいませんので何なりとお問い合わせください。
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【お問い合わせ先】
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※返信にお時間がかかる場合もございます。
<以下、関連ブログ>
「阿弥陀如来立像」の修理をご下命いただきました! その1ー1
「阿弥陀如来立像」の修理をご下命いただきました! その1ー2
「阿弥陀如来立像」の修理をご下命いただきました! その1ー3
さて、昨日・一昨日は日中とても過ごしやすかったですね♬
昨日は、20度を超えていましたので、車の中は暑かったです
春の陽気でしたね
今週は、また冷えるそうです。
今朝は雨も降っていますので、肌寒いです
寒暖の差がでますので、体調を崩されないように気を付けてくださいね♬
それでは、今週も皆様にとって良き1週間となりますように!
合掌
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